こうのとりセンターを始めた理由

そもそもペットとは

私たちと暮らす犬や猫も、先祖は野生動物です。遠い昔、たまたま人間と近い距離になった個体をもとに人間が交配を繰り返した結果、現在のペットの姿になりました。その過程には「人と暮らしやすいように」「人に愛されやすいように」という、人間のエゴもありました。

人とペットの違い、人と人間の違い

DNAを持ち、呼吸をし、脳で考え、コミュニケーションを取る…これは人もペットも同じです。ただしペットは、人と一緒でないと生きていけない、生物学的に弱い動物です。そして同種の親兄弟とも切り離された、孤独な存在です。一方で人は、単独で生き抜ける生物学的な強さよりも、集団(“人”ではなく“人間”)となり社会を構成することで、生存競争を生き抜いてきました。つまり社会的・文化的に強いことを選びました。しかし人間は、文明や文化を発達させ、“自由”を求めるわがままな側面を持っています。ただ、自由は置き換えれば孤独でもあります。孤独は、命にとって最大の恐怖です。そのため人は自ら自由=孤独を選んでおきながらも、孤独を癒すことを求めました。それが、人間社会における「ペット」の役割なのです。

犬のイメージ

日本の動物愛護の現状

ペットは人に愛されるために生み出され、人は孤独を解消するべくペットを手に入れました。お互いを必要としている存在同士であるならば、本来そこには何の歪みも生じないはず。
にも関わらず、日本においては年間3万頭以上の犬・猫が殺処分されていて、動物愛護の観点からは世界的に見てもまだまだ遅れている状況です。なぜなのでしょうか。

原因はどこにあるのか

八百万神の精神からも分かるとおり、本来日本人は自然すべてを慈しむ国民です。にも関わらず、なぜペットはこれだけ殺処分されてしまうのでしょうか。その原因は、国土面積の小さな日本において、人間を優先せざるを得なかったからです。人間中心の社会の中で、人間の子どもが健全に育つための社会的サポートは行われても、犬・猫の子どもにはそれができない。つまりペットを生み出すブリーダーさんの環境に対して、社会的サポートがないのです。学校や公民館といった“人間の子育てための施設”は街の一番いい場所にあるのに、同じ子育てでも犬・猫は違う。そんな環境で育った犬・猫は、当然成長過程における社会化も不十分で、飼い主のもとに行っても手に負えない子となる可能性があり、遺棄や虐待・ひいては殺処分につながってしまっているのです。

動物愛護上の問題を解決するために

犬・猫のブリーディングに対する社会的サポートがないことが原因なら、それを提供していけばいい。ブリーダーさんに対して、より適切なブリーディング環境のためのアドバイスを行い、犬・猫に負担をかけない繁殖技術や成長過程における社会化をサポートします。
この一連のサポートの中で、こうのとりセンターの役割は、“出会い“をお手伝いすることです。「わが子同然に育てた子を、誰よりも大事にする家族に迎えてほしい」というのは、ブリーダーさん共通の願いです。この出会いの部分をサポートし、ブリーダーさんの本質である「健全な子を生み出す」ことに専念いただき、殺処分になってしまうような子が生まれない仕組みを目指します。

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