現代の家庭どうぶつは、食事や生活環境の改善や獣医療の発展により、人間と同様に高齢化が進んでいます。
また、糖尿病などの生活習慣病や遺伝病、がんのリスク等が高まっていることも認められています。
アニコムグループでは、どうぶつと人の双方がより長く健康に暮らせる世界を創りあげることを目指しており、
そのためには更なる獣医療の発展が不可欠です。
当研究所は、健康状態に大きく影響すると近時注目されている、腸内細菌叢(腸内フローラ)、遺伝病、疾患の原因因子、
内因性代謝物を網羅的に測定・分析・解析を行うために次世代シーケンサー(写真1)やGC/MS(写真2)、
LC/MS等の先端的な研究機器を導入しています。
去る2016年10月9日、家庭で飼われている鳥の腸内フローラを対象にこれらの機器を使用して当社研究部門にて解析を行った結果を、 第20回鳥類臨床研究会大会にて発表しました。「次世代シーケンサーを用いたメタゲノム解析による飼い鳥の腸内細菌叢検査の試み」と題し、 (1)飼い鳥における次世代シーケンサーを用いた腸内細菌叢検査の有用性の評価、(2)飼い鳥における腸内細菌叢と健康状態や疾患との 関連性の調査結果を報告しました。体を固定しただけでもダメージを与える診療行為となりかねない飼い鳥において、 糞便を用いた非侵襲的な腸内フローラ検査が、肥満の予防やリスク判定などの一助になるよう今後も研究を進めていきます。
さらに現在、飼い鳥以外のどうぶつにおいても腸内フローラと疾患や食事、水との関連について分析を行っておりますので、新たな結果が出た場合には公表いたします。
アニコムグループでは、様々などうぶつの腸内フローラ研究を始め、最先端の解析機器による分子生物学、生化学的手法を用いた研究を進めており、 今後も、臨床研究への橋渡しとなる早期発見・早期治療の体制構築や、治らない・治りにくい疾病を根治する獣医療の発展に貢献していきます。
写真1
写真2